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8月30日 福岡市城南区 |
今年の春は「道端の絶滅危惧種」イヌノフグリを見て歩きましたが、
今度は別の、絶滅のおそれがある植物を見ています。
ツクシオオガヤツリという草です
(1)。
なんでも日本では九州北部、それも福岡市が分布の中心となっているようです
(2)。
私は今年から見始めて、まだあまりあちこちで見つけてはいませんが、
福岡市内の数カ所で見つけました。
水辺や池のほとりに群生していて、けっこう丈が高く(1メートル数10センチくらい)、
かたちを一度覚えると、遠くからでもよくわかるようになります。
私が見たのはいずれも行政や研究機関が管理している公共的な場所で(公園や道沿いなど)、
場所によっては
看板に記載してあるところもあり、
お近くの方々に知ってほしいという意向なのだと思います。
8月31日 福岡市城南区
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9月14日 福岡市中央区
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この8月から9月にかけて見て歩いたところ、
ほとんどの穂は茶色くなっていましたが、ところどころまだ新しい花穂がついていました。
ツクシオオガヤツリは福岡市中央区城内のものが福岡県指定天然記念物になっているとのことで
(3)、
新聞記事などによると、地元で調査・研究されている方もおられるようです。
ただ、看板に記載してあるものでも、御近所の方にお話しするとそのことをご存じでないことがけっこうありました。
絶滅のおそれがある植物だとお話しすると「あれは昔はもっといっぱいあった」というお話をしてくださった方もあり、
御近所ではきっと昔からおなじみの草だったのだろうと思います。
イヌノフグリなどと同じで、身近な生き物が希少になってしまっているということで、
もっともっと関心が持たれるようになったら・・と思います。
注:
1. 環境省のレッドデータブックおよび福岡県のレッドデータブックで、近い将来における絶滅の危険性が高い「絶滅危惧IB類(EN)」とされています。もどる
2. 参考文献3による(p. 466)。もどる
3. 参考文献2による(p. 179)。もどる
参考文献:
1. 環境庁自然保護局野生生物課(編) 改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物−レッドデータブック− 8 植物1(維管束植物) 2000年
2. 福岡県環境部自然環境課(制作) 福岡県の希少野生生物−福岡県レッドデータブック2001− 2001年
3. 矢原徹一(編) レッドデータプランツ 山と渓谷社 2003年
とおりみち通信 次回は山のほうに行きたいと思っています。