2000年9月8日の地元新聞紙の投書欄に、
天神 (福岡市中央区) のチャンチンの樹が治療を受けている、という
投稿が載っていました。
ファンの方だそうです。
チャンチンは、中国原産の樹で、春に赤い若葉を芽吹くのだそうです。
また来春には輝く新葉を見せてほしい、と
その投稿にありました。
そういえば、たしかに天神で葉っぱが赤い樹を見たおぼえがあります。
「おお、赤いっ」と思ったのを、思い出しました。
場所もまちがいありません。デパートの横です。
それで、どんな様子なのだろうかと、見に行きました。
その樹は、葉を落としていて、幹と大きな枝には茶色の麻の帯のようなものが巻かれていました。
寒さ対策を施された寒冷地の樹みたいでした。
札が掛かっていました。
その札には、次のようにありました:
「ファンの皆様へ
天神のチャンチンです。 体調がすぐれないので 樹木医さんの診断、治療を うけているところです。」
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まわりに置かれたコーンには、「日本樹木医会」の銘がありました。
近くをまわって、少ししてからまたここに来てみました。
若い御夫婦らしき2人が、緑のプラスチックフェンスにもたれて、この樹を見てらっしゃいました。
それからときどき、ここを通りかかったときに、樹の様子を見ましたが、
とくに変わりはありませんでした。
それが、
10月の下旬、バスでここを通りかかったとき、
樹がなくなっているのに気がつきました。
翌日、 来てみました。 |
「ファンの皆様へ
天神のチャンチンです。 樹木医さんの手厚い治療を受けて いましたが、自力での樹勢回復が困 難となりました。 今日まで、皆様に愛され親しんで 頂き幸せでした。 後継樹が12月始めにお目見えする 予定です。私同様可愛がって下さい。 これまでありがとうございました。」
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正直なところ、ファンの方々のようには私はチャンチンに心を寄せてはいなかったのですが、
それでも、ひとこと、おつかれさまでした、と、
チャンチンに伝えることができてたらなと思っています。
後日、
ここのフェンスに、小さな写真が掛けられていました。
どなたかファンの方がお撮りになった、
昨年の春の、若葉が赤いチャンチンの写真でした。