小学4年のときの遠足で、やはりその時もみんなでイモ掘りをしたと思うんですが、昼の自由時間に、サイクリングロードが草地のはるか彼方へと続いているのを見て、向こうに何があるんだろうと思い、ひとりでサイクリングロードを歩いていきました。
そっちの方向へ歩くとたぶん海があるんですが、海は見えず、見渡すかぎり草が茂っていて(あくまでも記憶ですが)、左に飛行場の倉庫が見えていました。当時からすでに傷んでいたように憶えています。なんだか異様な雰囲気がありました。
後ろの遠くから「おーい!」と呼ぶ声がしたので、引き返しました。わたしが一人で向こうのほうへと歩いているので、クラスメートが騒いでいたんだそうです。先生は、「何があった?」と尋ねてくれましたが、何と言うほどの物を見ないまましかたなく戻ってきた感じだったので、なんとも答えようがなかったです。
その後、わたしはレクリエーションセンターに行くことがなく、格納庫もたまに車窓から遠く眺めることがあるだけでした。
格納庫前をいったん離れ、サイクリングロードをさらに歩いてみました。ジョギングする人、散歩する人と行き違い、昔ひとりで歩いたときの感じとはだいぶちがいました。視点も高くなりましたし。
草地も、いも畑もなくなったのかなあ、と思いながら歩いていると、遠くに少し草が茂っているのが見えました。
ああ、ああいう感じだったような、と、そちらのほうへ何となく歩くと、目の前に畑が広がりました。
サイクリングロードに戻って、さらに道の続きを歩きました。
海に出ました。小さな海でした。